
中学生には学習塾に通わせるべきか、または通信教育を使って自宅で勉強をさせるべきか?こんなふうに迷っている家庭はけっこう多いものです。
いったいどっちが子供の勉強のためにおすすめなのか、明確な考え方をまとめるために3つのポイントをお伝えしていきます。
そもそも中学生に学習塾や通信教育を考えるということ

「なんで中学生に学習塾や通信教育を考えるのですか?」
こんなふうに質問をされたら、いったいどのように答えますか?
・・・・・・
・・・
「高校入試へ向けて学力を向上させるため。」
たぶんどこの家庭もこのような答えになるはずです。
もしかすると「周りの子供がやっているから」といった答えがあるかもしれませんが、その答えはあまりにも主体性がなさすぎます。

では、「中学生に学習塾や通信教育を与えたら成績が必ず上がると思いますか?」
・・・・・・
・・・
答えは「YES」ですか?それとも「NO」ですか?
いかがでしょうか。
この質問に対する答えとして正解なのは「NO」です。
たぶん多くの方が「NO」という答えになったのではないでしょうか。
ではなんで「NO」なのか?
これがわかることで、ひとつ明確に見えてくるものがあります。
学習塾と通信教育の共通点

「NO」と答えたということは、このようなことを思ったのではないでしょうか。
「子供が本気でやるかどうか、に全て掛かっているから」
そうなんです、子供が高校入試へ向けて本気で取り組まないとダメなんです。
では子供が「本気で取り組む」という姿勢があることを前提として考えていきます。
もうひとつ質問をします。
「学習塾や通信教育で、なにが教えてもらえると思いますか?」
・・・・・・
・・・
「授業のポイントや解き方のコツなど。」
たぶんこんな答えになるのではないでしょうか。
この質問の答えはそれで正解です。
学習塾や通信教育では、授業の「ポイント」や「コツ」を教えてもらえます。
ということは、
そもそも「授業」がすべての基本になっている、ということなんです。
ここまでわかればあとは簡単です。
- 学習塾で授業の「ポイント」「コツ」を教えてもらいに行くか?
- 通信教育の映像授業を使って、過去の「授業」を見て勉強するか?
このどっちかの選択です。
学習塾では講師があれこれと「ポイント」「コツ」について指導してくれます。
紙教材では講師はおらず授業の「ポイント」「コツ」について解説、ネットの通信教育では講師はおらず「授業」そのものを受けることができます。
つまり、
学習塾は過去の授業は教えてもらえませんが、講師が子供を導いてくれます。
通信教育は導いてくれる講師はいませんが、過去の授業で勉強ができます。
はたしてどっちがいいのでしょうか。
ここまでで何となく使い方が見えてきたと思いますが、ハッキリしないという方のためにもう少し具体的に砕いて考えていきます。
学習塾と通信教育それぞれのメリット
さらに具体的に考えて、より正確性を高めていきます。
学習塾のメリット
- 「通う」という行動によって、子供に勉強をするスイッチが入りやすい。
- 少人数制であれば講師にいつでも質問ができる。
- 子供の意思ではなく、強制的に宿題などするべきことが提示される。
通信教育のメリット
- 通わなくていいので、曜日も時間も自由なことで効率がはるかにいい。
- ネット教材なら映像授業で過去の授業が自由に見れ、つまずきをなくせる。
- 自分の意志で段取りが組めるため、ほかの勉強と合わせやすい。
お互いに3つのメリットを挙げましたが、それぞれに良さはあります。
逆にデメリットについてもピックアップしてみます。
学習塾のデメリット
- 時間に束縛され、通う時間も考えると時間効率が悪い。
- 学校で習うことがベースになっているため、授業を理解しておく必要がある。
- 通塾の道中、とくに暗くなってからの帰り道の心配がある。
通信教育のデメリット
- 何でも相談のできる講師が目の前にいない。
- 一人での勉強方法なので家庭学習に慣れていないと難しい。
- 怠けようと思えば自分の意志で怠けられる。
デメリットについても3つずつ挙げましたがいかがでしょうか。
学習塾は「通う」ことに対して、時間効率の悪さや心配事が付きまといます。
通信教育は「ひとり」で勉強することに対して、サポート性や姿勢が求められます。
文部科学省のデータから学習塾と通信教育を考える

文部科学省のデータから学習塾と通信教育の比率について見てみます。
参考:文部科学省「子どもの学校外での学習活動に関する 実態調査報告」より
中学生を見ると、学習塾のほうが多く利用されていることがわかります。通信教育は学習塾の半分かそれ以下になっていることがわかります。
もうひとつの調査結果「年ごとの利用比率」から見てみます。
この表からわかることは、学習塾を利用する比率は下がっており、通信教育の比率は上がってきているということです。少し古いデータですので、今はさらにこの比率が顕著になっているはずです。
さらにそれぞれで利用されている教科についてです。
上のデータが学習塾、下のデータが通信教育です。

こうして見ると通信教育のほうが多くの教科を利用していることが分かりますが、このグラフが表している背景には「費用の安さ」が大きく関係しています。
学習塾での費用は1教科当り月10,000円前後、通信教育での費用は5教科で最安値で月980円という大きな違いが見られます。これは講師の人件費などを考慮すれば、当然の結果ではないかと思います。
費用については、このデータからも読み取ることができます。
このデータを平均すると、学習塾と比べて通信教育は1/4~1/5程度の出費となります。
こういった費用の違いからも、家計に合わせた選び方ができるのではないでしょうか。
中学生には学習塾か通信教育か?まとめ

学習塾と通信教育の違いについてまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか。
ひとつ注目したいのが「利用する学習外活動」で、学習塾の利用率の下がり方、通信教育の利用率の上がり方がまったく反比例な結果となっている部分です。
この進化によって紙では伝えきれなかった、図形の動きや奥行きなどを表現する「映像授業」での膨大なデータでやり取りができるようになった、ということが普及する原因になっていると考えられます。
その反面、自宅で手軽に「本質の勉強ができる」ようになった通信教育にとって代わられた学習塾は、時間効率の悪さなどが顕著に浮き彫りとなった格好であるといえます。
もしこれからの時代を考えるとすれば、文部科学省のデータからも分かるように通信教育が学習塾に変わって学校外学習の柱となっていくことは容易に予想できます。
その裏付けとして城南コベッツが通信教育デキタスを運営するなど時代を読んだ動きが見えつつあります。
この現実を踏まえながら考えてみることによって、さらに明確な判断へ繋がるのではないでしょうか。学習塾と通信教育ではどっちが子供の勉強になるか?また家計にあっているのはどっちか?などを踏まえて、じっくりと考えてみてください。
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