中学生になると、いきなり不登校になってしまうことは少なくありません。
私自身も今では塾講師などをさせていただいてますが、とくに内気な性格だったこともあり中学生のころは不登校になる寸前までいきました。朝になると学校へ行くのが怖くなるんですね。
そんな自分の経験からも不登校の中学生には「勉強」に打ち込むことが大事ということがわかり、とくに自宅で取り組める通信教育が力になってくれます。
不登校になった子供が改善して学校へ復帰できるよう、自宅で塞いでいるときに親が対応すべきことや通信教育での改善効果などについて3つのポイントをお伝えします。
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中学生が不登校になる主な原因とは?
自宅にいる子供の姿を見て、何か「感じるもの」はありませんか?
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「どこかソワソワしている様子で落ち着きがない」
たぶんどこの家庭でもこんな感じではないでしょうか?
あなただけではなく、不登校になった家庭というのは同じ状態になっています。
これが「何を示しているのか?」がもっとも重要なポイントなんですね。
このデータを見ていただきたいのですが、
参考:文部科学省「不登校の現状に関する認識」より
不登校になる原因としてもっとも多いのが「人間関係」と言われています。とくに学校生活でのトラブルがいちばん多く、次いで家庭環境に対する問題です。
「本人の問題」という項目もありますが、これも表面化していないだけで子供の中に「人に対する不安」というのが隠れているはずです。
つまり「コミュニケーション」に関するトラブルがほとんどという訳です。
病気や不具合であれば目に見えるのでわかりますが、心のトラブルについては認識のしようがないから余計にどう対応していいものか悩んでしまいます。
このことを踏まえて、不登校の子供に対する親がすべき3つの対応についてお伝えします。
不登校になった中学生へ親が対応すべき3つの方法
中学生になってから子供が不登校になった!
不登校というのは急になってしまうことがほとんどなので、親のほうが慌ててしまいがちです。大丈夫です、しっかりと冷静に対応してください。
不登校になる原因をきちんと考えていくことで、かならず解決策が見えてきます。
不登校に対する親の対応①「外に出たがらない」
不登校になると子供は外に出たがらなくなりませんか?
部屋に閉じこもってしまい、いわゆる「ひきこもり」状態になってしまうんですね。
では何で「ひきこもり」になっているのでしょうか?
そのもっとも大きな理由というのが、先ほどのデータからも分かるように「対人関係」でのトラブルによって心の中が閉じてしまっているからなんです。
私も中学生のころ「ひきこもり」寸前まで行きましたが、そのときに体調が悪くて内科で診察してもらった結果「PTSD」という精神疾患でした。この状態が長引くと「うつ病」に発展するというわけです。
つまり精神的に「参っている」状態なんですね。
この状態というのは、子供にとっていちばん辛い状態です。
親の対応として最も掛けてはいけない言葉が「行け!」です。学校に行け!学習塾に行け!など親のほうが慌ててしまいこれらの言葉を掛けてしまうものですが、余計に子どもの心を閉ざしてしまう原因となります。
このときの子供の心には「味方がいない」という寂しさを必ず持っています。自宅にいることで守ってもらえると思っているため、外へ出ろ!と言われると寂しさが増して反発してしまうんですね。
これは子供の中に自己防衛の本能が働くためで、これ以上の攻撃から身を守るという反応が起きている証拠です。従って逆効果という訳です。
親が掛けるべき言葉というのは「がんばらなくていい」です。
学校に行かなくてもいい、学習塾にもいかなくていい、この言葉というのが子供にとって最も安心できるのですが、たぶん簡単には実行できないと思います。
「無責任なことを言うな!」という気持ちが頭の中にあるからです。
何よりも先に、今やるべきことは何でしょうか?
子供に勉強をさせることですか?
学校に行かせて授業日数を稼いで、内申点を落とさないことですか?
不登校になった今は、まず「がんばらなくていい」です。
なってしまった原因を取り除かないことには、つぎの勉強へと繋がりませんから。
不登校に対する親の対応②「心のよりどころを勉強に持って行く」
ただし「家にいていいんだよ」と言っても、それでは片手落ちなんですね。
子供は家でボーっとしていればいいのか?といえばそれでは解決になりません。
そこで大事なのが「心のよりどころ」です。
子供は勉強をしたくないのではなく、やりたくてもできない状態です。
そもそも多くの子供は勉強が嫌いで不登校になった訳ではなく、家でボーっとしたいわけでもないんです。そのまま放っておけば、さらに二次障害へと進んでしまいます。
つまり「勉強」に集中するということに、心のよりどころを見出させるわけです。
私の知っている範囲でも、中学生で不登校になって今では偏差値の高い企業で第一線としてバリバリ活躍している友人がいます。
中学生のころ2年生までは順調に学校に来ていたのですが、それからは不登校気味になってしまい学校を休むようになりました。
そして3年生になったある日、学校に来れるようになったんですね。
しかも成績が下がっていたのではなく、逆にやや上がっていたのに私は驚きました。
つまりこの友人は、不登校になったことで「勉強に集中できた」という訳です。
そんなマンガみたいな話があるかよ!とツッコミを入れたくなると思いますが、これは事実なので仕方がありません。
今では一流企業の第一線で活躍する「お手本社員」です。
この例からも言えることは「勉強が心のよりどころになる」ということです。
しかしどうやって勉強に目を向けさせる?
またあとでお伝えしますが、不登校の子供に足りていないのは「学校の授業」です。
本当は学校に行って授業を受けたい‥いまごろ授業が進んでいるんだろうな‥と思っているはずなので「通信教育」というのが効果的な勉強方法になります。
不登校に対する親の対応③「子供の気持ちが変わることが大事」
不登校になった子供というのは「対人関係」に苦手意識を持っているため、学校にも学習塾にも行くことができない状態です。いくら学校に行け!塾に行け!と言ったところで、本人にとっては恐怖なだけで行くはずがないんです。
いま大事なのは「自然な心の変化」なんですね。
周りがいくら騒いだとしても余計に心が閉じていくだけなので、心を開かせるためには子供自身が気持ちを変えていくしかありません。自然と変化させていくことが大事という訳です。
でもどうやって自然に変化させるのか?
まず「対人関係」に苦手意識を持っているということは、人を信用できない状態にあるということです。直接的に人と会うことはムリなので、少しずつ慣らしていくためにも人の「温もり」を感じることが必要です。
子供がもし英語に興味を持っているのであれば「オンライン英会話」が効果的です。
オンライン英会話でネイティブと話すことによって、まず世界の広さを実感できることで気持ちの面に解放感を得ることができます。
さらにネイティブ講師なので性格が「陽気」なんですね。この性格を利用することによって「これでいいんだ」という人間性を感じることができ、人に対して大らかな接し方の勉強になります。
もっといえば「英語」を聞いたり話したりすることは、根本的に今の世界から別の世界へと気持ちが切り替わることにもつながります。頭の中も英語に切り替わるのでリフレッシュになるはずです。
また不登校に対応している家庭教師を使ってみるというのも効果的です。
家庭教師といっても講師が自宅に来る従来のスタイルでは難しいと思うので、オンラインで学べる家庭教師で画面越しに少しずつ人に慣らしていくほうがいいです。
不登校について精通している家庭教師であれば子供のメンタル面でうまくサポートしてくれますので、少しずつ改善へと近づけることができるはずです。
いずれにしても「間接的に少しずつ」ということが大事で、人と触れ合うことに対する恐れを取り除きながら、人の温もりを感じることのできる方法を探ることが大切です。
不登校の中学生にすすめたいのが「通信教育」
私はとくに不登校の中学生には通信教育が最適だと思っていて、自宅学習としていちばん不足している「授業」を受けることができるのでメリットが大きいです。
さらにこのような通信教育もあります。
参考:不登校でも出席扱いになる「タブレット通信教育すらら」の感想
文部科学省の施策として「不登校支援対策」といったものがあり、こういった制度を活用することも効果的な勉強方法です。その審査基準をクリアしている通信教育では学校を出席扱いにもなるので、このような国の施策はぜひ有効活用してください。
ただし通信教育は不登校の中学生に対して有効な勉強方法にはなりますが、学校での授業を補うためには「映像授業」のある教材を選ぶべきです。
本当は「授業を受けたい」「今ごろ進んでいるだろうな」という気持ちを持っている子供に対して、こうした授業を見ることは心の安定にもつながるはずです。
このようなことから通信教育は不登校の中学生にとって最適な勉強方法と思っていますので、いちど考えてみる価値は十分にある勉強方法です。
不登校の中学生に親が知っておく3つの対応法まとめ
不登校の中学生に対する親の対応法について、もう一度まとめます。
①外に出たがらない子供にムリな言葉を掛けない
いくら「学校に行きなさい!」といった所で余計に心を閉ざしてしまうので、行くわけもないし全くの逆効果になります。精神的にもPTSDなどに近い状態になっていることも考えられますので、まず「家にいなさい」という声掛けが大切です。
②心のよりどころを勉強に持って行く
ただ家でボーっとさせているだけでは片手落ちです。二次的な障害を防ぐためにも「心のよりどころ」を持たせることが大切で、とくに「学校の授業」には強い思いを持っていますので通信教育などで授業を受けさせてください。
③子供の気持ちを自然に変えていく
不登校の主な理由は「対人関係」ですので、その原因を取り除くことが大切です。直接的に人に会えないので決して無理はせず、間接的に少しずつ慣らしながら人に対して自分から心が開けるように導いてあげてください。
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