こんにちは元塾講師TSUTOMUです。
今回は「発達障害の中学生におすすめの問題集が知りたい」という疑問に答えます。
発達障害の中学生にむけて問題集を選ぶときは、モチベーションアップを図ることができて、さらに継続性につながることが大きなポイントになります。(後ほど詳しく説明)
きっと、こんな悩みがあるのではないでしょうか。
- 勉強に興味を示さず問題集へも取り組まない。
- 問題集を与えても興味のある単元しか解かない。
- 予定している範囲が終わらないうちに飽きて辞めてしまう。
いずれも発達障害の特性といえる状況で、問題集をしっかり解くことができない状態です。
発達障害があると「興味のない事柄には見向きもしない」という特性が全般的に見られ、ADHD・ASD・LDなどいずれの症状においても多く挙げられる事象になります。
私も発達障害コミュニケーション指導者など資格をもって携わってきた経験、および元塾講師という知識をもとに最適といえる問題集をここでは選び出します。
問題集といっても紙教材だけではなく、最近主流のデジタル教材も交えて紹介。
子供の性格などにもっとも適した問題集を選び、ぜひ有意義な家庭学習を実現していただければ幸いです。
発達障害の中学生におすすめジャンル別7つの問題集
紙問題集ジャンル
紙の問題集ジャンルは、とくに「インターネット端末では気が散ってしまう」という場合におすすめです。
最終的にこの紙問題集を選ぶ家庭も多く、それだけ人気といえる問題集スタイルになります。
①紙問題集おすすめ「コナンゼミ」
学習範囲 | 楽しさ | わかりやすさ |
小学生 | ◎ | ◎ |
発達障害の中学生において「小学生範囲から総復習させたい」という場合におすすめといえる紙問題集です。
中学生範囲までは勉強できませんが、小学生の総復習においては楽しさがあり極めておすすめ。
基本的な内容としては問題集と変わりませんが、イラスト演出が豊富で楽しさを感じやすい紙面となっているため、文字だけの問題集よりも興味をもって取り組めることが期待できます。
コナンゼミには2通り「通信教育(ワークブック)」「ナゾトキ」が用意されており、問題集となっているのが「通信教育(ワークブック)」のほう。ナゾトキという教材は問題集というよりも思考力養成にむけた内容となっています。
名探偵コナンに登場するキャラクターが詳しくヒントを出してくれたり、わかりやすい解説を行ってくれるため発達障害の中学生が楽しくわかりやすく学べる問題集。これまで問題集が嫌いで取り組まなかった場合などは、極めて効果的といえるおすすめの問題集になります。
②紙問題集おすすめ「ポピー中学講座」
学習範囲 | 楽しさ | わかりやすさ |
中学生 | ○ | ◎ |
紙の問題集においてトップレベルの人気度で、かなり長い歴史をもつ通信教育。やや楽しさの面で欠けますが総合力はナンバーワンです。
通信教育のため問題集購入で悩む必要がなく、さらに国内でもトップクラスで確実性の高い教科書準拠によって学校と同じペース。したがって発達障害の中学生がかなり勉強しやすい内容となっています。
とくにポピーが秀逸と感じるのは「わかりやすく詳しい解説」で、最終的な理解へつながるような考え方のポイントなどが掲載されているためコツを掴みやすい誌面構成。またイラストもほどよく配置されており、必要十分な楽しさも感じられるのが特徴です。
また本教材だけでも必要十分な問題集として役立ちますが、別冊で不定期に郵送される別冊教材もかなり秀逸な内容。とくに定期テスト対策などは教科書準拠とも相まって、かなり一致度が高く驚くほどぴったりの問題が掲載されています。
本教材&別冊教材をすべて合わせるとかなりのボリュームがあり、家庭学習として必要なコンテンツはすべて揃っているのも大きなメリット。発達障害の中学生がわかりやすく勉強でき、楽しさなどバランスの整った超おすすめの紙問題集です。
レビュー記事:ポピーの口コミ
③紙問題集おすすめ「中学ひとつひとつわかりやすくシリーズ」
学習範囲 | 楽しさ | わかりやすさ |
中学生 | ○ | ◎ |
やや楽しさの面では欠けるものの、学研ならではといえる確実性の高い学びが特徴の問題集です。
とくに特徴的といえるのが「1つずつ確実性の高い勉強ができる」という構成で、いってみればスローステップで少しずつ問題を解いていくことのできる内容。かなりシンプルな誌面となっており、ごちゃごちゃとしたイメージではなく問題が見やすいのもメリットといえます。
一般的なクラシックスタイルに限りなく近い問題集で、各教科ごとに冊子が分かれているのも使いやすく便利。したがって相当量の問題が盛り込まれており、中学生範囲をしっかりと学ぶことのできる問題集です。
各教科ごとに分かれているため、必要な教科だけを学ばせたいときにも便利で効果的。ムダのない誌面構成でシンプルさが目立つ、文字が多いと混乱してしまう学習障害(LD)の場合でも取り組みやすい問題集になります。
デジタル問題集ジャンル
デジタルの問題集ジャンルというのは「ネット特性を活かした情報スタイル」が大きな特徴です。
インターネット特性による映像授業などは動きや音声により、文字だけではなく視覚・聴覚といった五感を多く使うことによってより理解しやすい問題集スタイルになります。
④デジタル問題集おすすめ「すらら」
学習範囲 | 楽しさ | わかりやすさ |
小~中学生 | ◎ | ◎ |
無学年方式で小学生範囲から自由に学べるデジタル問題集で、映像授業・AIサポート・膨大なドリル問題などで効率よく学べます。
とくに「無学年方式」という部分が大きな特徴で、学年の枠にとらわれず分野で学べるのがメリット。たとえば苦手部分があれば問題解消にむけ原因追及をしますが、このとき学年の枠がないためスムーズに根本的な原因を見定めることができます。
したがって苦手原因の根本的な解消において極めて有効なデジタル問題集で、場合によっては小学生範囲までさかのぼれるため徹底的な苦手解消を期待できるのがメリット。本当の意味において過去のつまずき解消に役立つ、といっても過言ではないデジタル問題集になります。
またデジタル問題集において最大のメリットともいえる「映像授業」があるため、文字を読んで認識するだけではなく「動き・音声」といった五感を使ってより認識しやすいのも効果的。とくに発達障害の中学生においては感覚による認識が重要といわれるため、かなり理解へつなげやすい解説スタイルといえます。
またスモールステップで進むアニメーション授業のため、まずもって理解できないという状況は考えられないかと。少しだけ解説されると確認問題が出される進み方なので、気が付いたら理解できていたというお手本のような授業となっているのも特徴になります。
発達障害支援の専門家監修によるデジタル問題集ということで、かなり適したおすすめの問題集。もちろんドリル機能やテスト機能などによって、豊富な問題に取り組めるのも大きなメリットになります。
レビュー記事:すららの口コミ
⑤デジタル問題集おすすめ「スタディサプリ」
学習範囲 | 楽しさ | わかりやすさ |
小4~中学生 | ○ | ◎ |
実在する講師陣による詳しい解説が特徴で「絶対にわからせる!」という体を使った映像授業で、わかりやすく理解が期待できるデジタル問題集です。
アニメーション映像授業があまり得意ではない、という場合におすすめの授業スタイル。全国から集まった「神授業」で有名な講師陣のわかりやすい解説によって、1つずつ確実に理解へつなげやすい映像授業となっています。
演習問題においても10,000問以上というボリュームある構成が特徴で、授業解説テキストを見ながら映像授業を受講。さらに確認問題で定着を図ることができるため2ステップで確実性の高い学習が期待できる流れとなっています。
問題集を使った学習でもっとも悩める部分が「解けるようになるための解説不足」ですが、このスタディサプリの神授業による解説ではその問題も完全に解消が期待できるかと。もし問題を解いて解けない場合は小学4年生範囲からの映像授業を自由に見られるため、根本的に理解できる問題集として大いに役立つデジタル問題集になります。
とくに発達障害の中学生にとって、わかりやすい解説というのは超重要項目。解説の順序が前後することがなく、話が飛んでしまうこともないので、極めて理解へつなげやすい授業解説が大きなメリットです。
レビュー記事:スタディサプリの口コミ
⑥デジタル問題集おすすめ「進研ゼミ」
学習範囲 | 楽しさ | わかりやすさ |
中学生 | ○ | ◎ |
専用タブレットにより細かな部分まで学べ、解説動画をはじめ視覚的にわかりやすい説明で理解へつなげやすいデジタル問題集です。
この進研ゼミは豊富な問題数も去ることながら、AIシステムによって的確な苦手対策ができるのも大きな特徴。とくに細かな部分(漢字の止め跳ねなど)までチェックされるので、極めて基本をしっかりと学べる問題集といえます。
基礎学習を行うときに視覚で情報を得たほうがわかりやすい場合などは、動画解説によって情報が得られるため発達障害の中学生にとってわかりやすい勉強が期待できる内容。またイラスト演出なども程よく配置されているため、楽しさも感じながら問題集へ取り組むことが期待できます。
また基礎学習で理解できない場合は、赤ペン先生の添削指導などによって問題解消ができるという構成。とくに応用(文章)問題において詳しく解説が記載され返却されるため、かなり理解しやすいサポートなのも特徴といえます。
この進研ゼミ「ハイブリッドスタイル」には双方向ライブ授業というコンテンツも用意されていますが、この機能においてはあまり効果は期待できないと感じるのが正直な感想。現時点における範囲をライブ授業で学べるという内容で、問題集として活用する意図とあまり合わないと思うので利用はお任せします。
専用タブレットというだけあって操作性は極めて優れており、タブレット学習としては高いレベルにあるかと。紙と鉛筆を使う勉強と変わりなく、自然体で問題集へ取り組めるのもメリットです。
レビュー記事:進研ゼミの口コミ
⑦デジタル問題集おすすめ「スマイルゼミ」
学習範囲 | 楽しさ | わかりやすさ |
中学生 | ○ | ◎ |
スマイルゼミはイラストなどがなく楽しさにおいてやや欠けますが、専用タブレットにより操作性はバツグン。紙に書くような感覚でスムーズに取り組めるのが特徴のデジタル問題集です。
講師による映像授業搭載で、問題集でつまずいた場合にも基礎理解しやすいのがメリット。また問題を解く画面ではヒントやポイントなどが盛り込まれているので、1つの画面内でかなり確実な理解へつなげやすいのも特徴の一つになります。
またタブレット学習としてはクオリティがかなり高く、文章による回答に対しても的確な採点が行われるといった希少ともいえるシステム構成。ここまで細かくAIシステムによってサポートがあるのは、たぶんこのスマイルゼミだけではないかと感じます。
もちろん問題数においても十分に搭載されており、深堀をした応用範囲までは難しくても、基礎学習における対策としては必要十分な内容。とくにスムーズな操作性が特徴となっているため、発達障害の中学生にとってストレスなく勉強しやすい環境を構築できるデジタル問題集になります。
✅ スマイルゼミの詳細はこちら。
レビュー記事:スマイルゼミの口コミ
発達障害の中学生におすすめ7つの問題集一覧
ここまで紹介した7つのおすすめ問題集を、比較一覧表でまとめます。
それぞれの問題集名をクリックすると、先ほどの解説項目へ後戻りします。
問題集名 | 学習範囲 | 楽しさ | わかりやすさ | |
紙 | コナンゼミ | 小学生 | ◎ | ◎ |
ポピー | 中学生 | ○ | ◎ | |
中学ひとつひとつ | 中学生 | ○ | ◎ | |
デジタル | すらら | 小~中学生 | ◎ | ◎ |
スタディサプリ | 小4~中学生 | ○ | ◎ | |
進研ゼミ | 中学生 | ○ | ◎ | |
スマイルゼミ | 中学生 | ○ | ◎ |
発達障害の中学生に適した問題集の選び方
私としては、つぎの3点がとくに重要と思っています。
- 楽しさがありモチベーションアップを図れる
- わかりやすく詳しい解説がある
- 飽きない工夫により継続が期待できる
この3要素が揃っていれば、極めておすすめといえる問題集ではないでしょうか。
さらに詳しく、選び方のポイントを解説します。
楽しさがありモチベーションアップを図れる
発達障害の中学生にとって「楽しさ」はモチベーションアップも重要なポイントです。
決して”遊び”とは異なり、しっかりと勉強に集中するための楽しさ。文章ばかりの問題集よりも、キャラクター演出などの楽しさが盛り込まれているほうが勉強に集中しやすくなります。
発達障害の中学生がまずもって勉強にとり組まない大きな理由は、この「楽しさ」が欠けていることもポイント。発達障害の特性として「興味が持てないものには関わらない」という行動があるので、これを楽しさをもって勉強へ興味を持たせることが重要です。
したがって勉強をしない、勉強が嫌い、家庭学習をしない、という場合はとくにこの「楽しさ」が重要なポイントになるため、問題集を選ぶ場合もどこかに興味を引く楽しさ要素が盛り込まれていることがおすすめです。
わかりやすく詳しい解説がある
発達障害の中学生において、勉強が難しく感じるポイントに「理解できない」という原因もあります。
問題集にとり組んでも最終的な理解まで到達できない場合は、勉強を嫌いになってしまったりと悪影響を及ぼす可能性が高まりますが、しっかりと理解へつながる解説によって頭の中が整理できることで勉強に楽しさを感じることへとつながります。
さらに発達障害の場合は、少しずつ確実に理解させることが大切。決してハイスピードにならず1つずつ確実に理解できること、さらに教える順番が前後したりすることなく正しい順序で解説が進むことは極めて大きなポイントになります。
したがって発達障害の中学生へ問題集を選びときは、この「わかりやすい解説」も重要な項目。ただ問題と答えだけが掲載されている問題集よりも、理解へつなげやすい詳しい解説でしかもわかりやすく教えてくれる問題集を選ぶことがおすすめです。
紙教材による問題集においてもこのポイントは極めて重要で、探してみるとそう数多く存在するものでもありません。できればデジタル問題集のように「動き・音声」といった多くの情報によって解説されるほうが、より発達障害の中学生にとっておすすめの問題集といえます。
飽きない工夫により継続が期待できる
この飽きない工夫を具体的にいえば、いわゆる「簡潔でわかりやすい問題集」ということ。
文字が多くても飽きてしまいやすく、紙の問題集でいえば適度にイラスト演出などが盛り込まれているなど。これがデジタル問題集では、映像授業時間があまり長すぎない等になります。
したがって発達障害の中学生におすすめの問題集としては、総合的なバランスの良さ重要。文章・イラスト・解説など、シンプルでわかりやすくポイントがしっかりと抑えられている問題集は極めておすすめといえます。
家庭学習で問題集に取り組まない場合もあると思いますが、これは問題集に興味が持てないのが大きな原因。問題集にイラスト演出など楽しさの要素があることはもとより、なるべく勉強が面倒と感じないシンプルに取り組める問題集であることも重要なポイントになります。
あまり複雑な問題集になると、すぐに飽きてしまい問題集へ取り組まなくなってしまいます。この「飽きない工夫」というのも、発達障害の中学生へ問題集を選ぶときの大きな要素です。
まとめ
今回は「発達障害の中学生におすすめの問題集が知りたい」という疑問に対して、私が体験したうえで選んだ紙問題集およびデジタル問題集という形で答えてきました。また問題集の選び方についても知識として参考にしてみてください。
発達障害の中学生へ問題集を選ぶとき、もっとも重要といえるポイントが「楽しさ」と私は感じます。
まずもって問題集にとり組ませないと話にならないので、楽しさによって興味を持たせることが先決。さらに毎日の家庭学習として飽きないためにも、問題集には楽しさの工夫が極めて重要な要素になります。
問題集の中身については、言ってみればどれも同じ。問題と答えが変わることはなく、どの問題集においても同じ分野・単元へ取り組むため勉強内容はほぼ変わりません。
あとは発達障害の特性「興味が持てないと取り組まない」という行動パターンをいかに良い方向へ活かすかが重要で、ここでポイントになるのが「楽しさの要素」であると私は強く感じています。
ほかにも理解しやすい解説などポイントはありますが、とくに発達障害の中学生においては楽しさが工夫されている問題集を選ぶことが重要なポイントになります。